Photo by:© CAKE 0 emission AB / Kondo SPATARO
潜入リポーター:近藤スパ太郎 (電動バイクの魅力伝道師) Profile Page
電動バイクの魅力伝道師、近藤スパ太郎です。
いや~、電動バイクって面白い!
今や世界中には多種多様な電動バイクが沢山あるんです! 正直に言うと、これは買っちゃダメだろう…という粗悪な物もあれば、走りを追求し、これまでのバイクの既成概念とは全くちがう高スペックなモデルまであり、正しく多種多様。それに今や中国は、電動ビークル(EV)の最先端技術を持ち、一方で日本はインフラも含めてとっても後進国…という悲しい事実が。 EV業界に於いて ”技術大国ニッポン”をこれから発揮できることに期待したい…。
でもこれから電動バイクはもっと増えて、淘汰されていく事は、間違いありません。 今が成長真っ最中で、過渡期である電動バイクって、めちゃくちゃ面白い! とボクは思うんです。
こしてこのたび、新たに、スエーデンの電動バイクメーカー「CAKE 0 emission AB社 (以下、CAKE)」が、日本に初上陸したのです~!
「CAKE」を販売するのは、スポーツアパレルメーカーのゴールドウイン。 これまでゴールドウインは、高品質なバイク用アパレルも長年展開していますが、ついにバイクの車両も扱うようになった…というワケなのです。
両社が共同で開催した「日本展開モデル発表会」の記者発表に潜入して来ました~!
「CAKE(ケイク)は、2016年にスウェーデンで設立された、個性的で、プレミアムで、軽量な電動バイクを開発するメーカー。」と、リリースの冒頭に書いてありました。
そう、販売価格を見て「ほぉ~、なるほど~!」。 原付モデルで80万円台~、スポーツ性能が高いモデルは290万円台と、価格帯もプレミアム(高価)なのです。
ですが記者発表に参加し、この価格はCAKEのプレミアムな性能と、CAKEが掲げる未来への投資でもあるのかな…と、感じました。
CAKE創業者でCEOのステファン イッターボーン氏は、地球の環境が崩壊していく中で、環境にやさしい物が必要。電動バイクでの移動中はCO2は排出をしないが、パーツの素材や製造、完成車両の移送中も環境負荷が軽くなる事が必要だ! と訴えていました。
またステファン氏が電動バイク事業に取り組もうとした時には、まだ魅力的な電動バイクが存在しなかったそうで、「いくら移動中の環境負荷が軽い電動バイクでも、デザインやパーフォーマンス性に魅力的がなければ、普及しないだろう…!」 と思ったそうです。
そこでCAKEでは、「Light, quiet & clean」(軽い,静か&クリーン)をスローガンに「移動手段を環境への負荷が軽くて持続可能な」「乗って楽しいデザインと、パフォーマンス性の高い電動バイク」を開発しているそうです。
CAKEの目標として「2030年までに20万台を普及させたい」。 この目標を達成するためにも、はやり魅力的なデザインと、車両のパフォーマンス性は、とても重要なのだと思います。
確かに躍動感があり、街乗りやアウトドアシーンでも活躍できそうな、CAKEの電動バイクたち。
この写真のように、アンプの電源をバイクに積んだバッテリーから取ることも可能で、他にも例えば、キャンプでも電源をバイクから取ったり、ビザのデリバリーシーンでもバイクの電源を活用して、ピザを温めながらデリバリーすることも可能だったりする。
ガーナでは、電動バイクの利点を活かして、医療現場で使われているそう。また静かでクリーンな電動バイクの特性は、密猟対策のパトロールの移動手段にも有効で、 既に20台が南アフリカの密猟対策車として導入され、密猟者摘発に効果が出ているという。
また、車両の売り上げの一部が、野生動物を研究する南アフリカの大学に寄付されるそうだ。
参照:CAKE 本国のHP https://ridecake.com/
「静かで電動バイクの特徴を活かした活用シーンは、まだまだ沢山ある!」とステファン氏。
CAKEの電動バイクは既にEUの12か国のほかアメリカやカナダなど、これまでに4000台が販売され、今年は日本や韓国、東南アジアでも今年本格的に展開するそうです。
さらに「商業的で、環境的なサスティナビリティのためには、使ってゴミにならないビジネスモデルが必要で、CAKEの車両には、ライフサイクルを延長に配慮したバッテリーを搭載している」ということです。(因みに現在のセルは、パナソニック製やサムスン製を搭載)
近い将来、CAKEの車両に搭載されているプラスチック製のパーツ類は、古紙を原料にした環境に優しいプラスチック代替材料に切り替える予定で、グリーンスチール(温室効果ガスの発生しない方法、温室効果ガスの発生が極めて少ない方法で製造された鉄)の採用も検討しているそうです。
と、こんな風にステファンさんの考えやCAKEの思想を聞くと、プレミアムな車両価格はCAKEが掲げる未来への共感や投資的な要素もあるかな…と、思うボクです。
環境技術も、電動バイクと同じように、今はまだまだ過渡期で色々な可能性がある。まだまだ環境技術も現状はプレミアムな価格で、もっと普及しなくては、価格も下がらないですしね。
日本での展開は、①多用途オフロードバイクの「Kalk(カルク)」、②モジュール式多用途バイクの「Osa(オッサ)」、③都市生活者向けの「Makka(マッカ)」、④「キッズモデル」と、大きく4つのシリーズがあり、各シリーズ毎に特徴や用途が異なる複数の機種をラインナップしています。
では、記者発表でお披露目された、主要展開モデルの「Kalk」「Osa」「Makka」を紹介しますね!
妥協のない軽快性と圧倒的パワー
252Nmトルクの優れた軽快さをアスファルトでもトレイルでも
販売価格:2,915,000円 (税込)
最高速度:90km/h
航続距離:86km
車両重量:79kg
最大瞬間出力:10kW
定格出力:5.8 kW
免許の種類:AT限定普通二輪免許~
CAKEのバイクの中でも、スポーツ性能が高い「Kalk」シリーズ。センターモーターを積み、モーターパワーはベルトドライブで後輪に伝えられる。倒立サスペンションを採用しているのも、走りへの拘りだろう。「Kalk&」は定格出力が5.8 kWなので、運転免許は「AT限定普通二輪免許」以上が必要だが、車格としては125㏄のオフ車と同じくらい。 車重79kgはオフ車としては驚異の軽さだ! 「Kalk」シリーズには行動走行不可のレース用モデルもある。
街を軽やかに走り抜けるオフグリッドトランスポーター
販売価格:2,255,000 円(税込)
最高速度:90km/h
航続距離:111km
車両重量:89 ㎏
最大瞬間出力:9kw
定格出力:6.0kw
免許の種類:AT限定普通二輪免許~
四角く長いトップチューブにサドル型シートが個性的な「Osa」シリーズ。このシリーズもセンターモーターを積みベルトドライブで駆動する。 「Osa+」はタウンユースにも、ちょっとした悪路走行も可能で、シガーソケットやUSBポートを備えたバッテリーを搭載している。
前後に大型キャリアが付いた「Work」タイプも、ボク的には好きだな!
ひときわ目立つ軽量性と静粛性を備えたアーバンモビリティ
販売価格:869,000 円(税込)
最高速度:25km/h
航続距離:66km
車 両 重 量:70 ㎏
最大瞬間出力:1kW
定格出力:0.6kW
免許の種類:原付免許~
「Makka」シリーズは、タイヤのホイールの内側にモーターを搭載するインホイールモーターの車両。モーターのパワーがダイレクトに駆動輪に伝わるため、エネルギーロスが少ない特徴がある。
この春からの日本展開で、唯一の原付クラスが上の写真の「Makka range」だ。 とはいえ同じフレームを使用し、外観も車格も同じで、最大瞬間出力2.8kW/定格出力 1.55kWというパワーを持つ大きなモーターを積んだ「Makka flex」という機種もある。さらに前後に大型キャリアを搭載した「Work」モデルもあり、この2モデルはAT限定普通二輪免許が必要だ。
他の機種は、CAKE公式HPで確認できます!
■CAKE公式HP:https://goldwin.ridecake.jp/
勿論、今後は新車両も順次導入される予定で、春からの販売も、公式HPで販売するそうです。 メンテナンスはBMWやハーレーなど、輸入車を取り扱うLEPIOグループ が行うとのことです。
世の中の動向を的確にとらえ、とても思慮深い経営者のステファンさんは、実はとてもフレンドリーな方。 ボクの変顔リクエストにもノリノリ! あれ? シャッターのタイミングが悪く、ボクは普通でごめんなさい。
CAKEの電動バイクって、なぜグレーなのか? と聞くと「ホンダはレッド、ヤマハはブルー、スズキはイエローでカワサキはグリーン。他にもバイクメーカーにはメーカーカラーがあって、余っていたのが”グレー”なんだよ!」と、 笑っていました。
「ホントですか~?」と笑い返すと、続けて「私はスカンジナビア人だからもともとシンプルな物が好きなんだよ!」と。 こっちがホントの答えかもしれませんね。 でもこの”グレー”は、都会の中でも、自然の中でも溶け込んでなかなか良いと思うなぁ~。
「それもスカンジナビア人のセンスの良さだよ!」と、またまたステファンさんは笑っていました。
さて次回は、 「Osa+」に試乗したプチインプレを展開しますので、こちらもお楽しみに!
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【了】