Photo :高橋進
Reporter :近藤スパ太郎 (電動モビリティの魅力伝道師) Profile Page
環境問題をテーマにした番組パーソナリティを担当して以来環境問題全般に興味を持つ。普段の移動はバイクが多く、電動バイク・電動モビリティも追っかけている。
Apparel :ARAI HELMET,KUSHITANI
電動モビリティ追っかけタレントの近藤スパ太郎です。 過渡期である電動モビリティは、最先端技術を持つ車両が次から次へと登場して目が離せません!
今年1月に、COSWHEELの電動モペッド、New「MIRAI S」(原付一種)が登場し、先行予約販売が早くも1000台を超えて注目されています。
※試乗車はフロントタイヤがクイックレバー式ですが、販売車両はボルト止めになります
COSWHEEL(コスウエル)は、EV先進国 中国の電動モビリティブランドです。日本のAcalie(アカリエ/本社:愛知県名古屋市)が 日本市場向けに仕様や設計を変更して展開するのが、MIRAIシリーズです。
旧MIRAI Sは、2022年の春に応援購入サイトの「Makuake」で 原付二種のMIRAIと同時に販売され、1000人を超えるサポーター(購入者)と、マクアケでのバイク部門史上最高の1億9400万円超えを達成して’22年当時も注目を集め、ファットバイクブームの先がげにもなりました。
ナント、今回発売されたNew「MIRAI S」は 旧モデルより5万5000円も安くなり、税込「19万8000円」と20万円を切り、より購入しやすくなりました。
しかも2025年5月15日まで ①リヤキャリヤ ②スマホホルダー ③公式オンラインショップで使用可の1万円分クーポン の3つの特典が付く、総額2万円を超える第2期予約キャンペーンを実施中です。
物価が高騰している中で、税込「19万8000円」となぜ価格を下げることが出来たのでしょうか?
”モペッド” とは、原動機(エンジンやモーター)で走るバイクにペダルが付いた車両です。
”電動アシスト自転車” と違う点は、
・ぺダルを漕がなくても原動機の力のみで走る機能を持つ車両
・電動でアシストするアシスト比率が基準を超える車両
これらは ”自転車”ではなく、「原付一種以上のバイク」になります。
実は昨今、”モペッド”は、モビリティ業界で注目されているジャンルのひとつです。
小型の電動バイクはバッテリーの積載スペースが少なく、「航続距離」や「パワー不足」の課題を抱えていますが、モペッドならペダルを漕ぐことで課題をカバーできるためです。
バイクメーカーのスズキも、電動モペッド「e-PO」という車両を開発中ですから、今後電動モペッドは間違いなく沢山登場する! とボクは思っています。
ですが「ナンバーを付けない」「ノーヘルで乗る」など一部のユーザーや販売業者が摘発され、電動モペッドに悪い印象を持つ方もいる様でとても残念に思います。
改めて言いますが、漕がすにスロットル操作のみで走る機能を持つ車両は、自転車ではなく「原付一種以上のバイク」ですからね。
そしてNew「MIRAI S」は、定格出力500Wのモーターを搭載し、スロットル操作のみでも走る「原付一種」の車両です。 車両自体が原付一種区分なので、たとえ自転車モードで走る場合でも自転車道や歩道は走れず、原付免許やヘルメットの着用、自賠責保の加入も必要です。
New「MIRAI S」は、大きく3通りの機能を持つ3Wayバイクです。
①モーターで走る電動バイク
⇒さらに最高速が異なる3つのモードを選べる
②ペダルで走る自転車
⇒7段ギヤを装備
③電動バイク+ ペダルのハイブリッド
⇒ 電動バイクの各3モードと7段ギヤのペダル走行の併用が可能
TPOに合わせて何通りもの走行の選択が可能なことは、電動モペッドの大きなメリットです。
販売価格が下がった大きな理由は、高価格なリチウムイオンバッテリーの積載容量を半分にしたためです。 旧モデルはバッテリー容量が20Aで、電動バイクモードで走った時の航続距離は、約50km~60kmでした。
航続距離はそんなに必要ない、その分もっと安くして欲しい、 などのユーザーの声を反映して、New「MIRAI S」ではバッテリー容量を半分の10Aにして、より購入しやすい価格にした…ってワケです。
航続距離も半分の約30kmになりましたが、万が一バッテリーが無くなって電欠になったら、ペダルを漕げばいいんです。バッテリー重量も約2㎏も軽い約4㎏となり軽量化にも貢献。充電時間も半分の3時間となりました。
この”航続距離30km”とは、体重55kgのライダーが、主にモード「2」を使って街中を走行したAcalieの実測値を、少し余裕を持って表記しているそうです。
30kmでは足りない方には、20Aのバッテリーが6万6000円で販売されています。
※航続距離は体重や勾配、走り方、気温や風などにもよって大きく変わります
価格が安くなっても、旧モデルから改良された箇所も多くあります。
フレームの素材には、旧モデルと同じ「アルミ合金A6061」という耐食性や剛性が非常に高い 航空機の部品にも使われる素材を使用していますが、溶接を強化して車両剛性を向上させています。
視認性の良い縦型のカラー液晶メーターパネルになり、モーターもより静かで且つ初速トルクを発揮できる物に変更し加速性能を高めています。フロントウインカーもスタイリッシュな物に変更されています。
シート高は770mmの固定で、適応身長は150cm~です。身長172cmのボクは両足がべったり着きます。
NFCタッチキーを近づけると車体電源が入り、ヘッドライトとテールランプが点灯します。
ペダル漕ぎで使う7段ギヤは右手もとのレバーで変速。信頼性の高いシマノ製コンポーネンツを採用しています。
タッチキーで車体電源の起動後、四角いスイッチパネルの電源ボタンを押すと、メーターパネルとモーターが起動します。
メーターパネルは、視認性の良い縦型のカラー液晶モニターに変更になりました。走行モード、バッテリー残量の他、トリップ、オド、MAXスピード、アベレージを表示します。
走行モードや表示の切り替え操作は、全て左手元のスイッチパネルで行い、走行モードは+-ボタンで選択。 走行モード「0」はモーターのアシストが無い自転車モード。1~3が最高速度と加速力が異なる電動バイクモードです。
またメーターの下部にはUSBポートがあり、スマホ充電やドライブレコーダー等の電源供給だけでなく、10Aの大容量バッテリーはアウトドアや災害時のモバイルバッテリーとしても活用できるそうです。
先ずは電動バイクの「1」で走ってみました。
スロット操作にクイックに反応するレスポンスの良さは、電動バイクならではの良い特徴です。なめらかに加速するとても優しい走りで且つ低速でのトルクがあるため、電動バイク初心者でも扱いやすいと思います。
体重77kgのボクのばあいは、走行モード「1」は最高速度が約25km/h。走行中にモード切り替えが可能で「2」は約35km/h。「3」は約45km/h+α でした(クローズド走行値)。
モードが上がればパワーも少し増して加速も良くなりますが、その分バッテリーも減ります。法定速度が30km/hですから、「1」と「2」でも十分ですが、「3」は交通量が多い道路や、進路変更などで加速する必要がある時に使うとスムーズです。
ボクが驚いたのが、走行中にスロットルをOFFにしても直ぐに速度が落ちず、惰性で結構走ることです。つまり転がり抵抗がとても少ない設計なんです。電動バイクにはバッテリー温存の「電ピ走行」というテクニックがあるのですが、こまめなスロットルOFFと惰性走行を多用することで、簡単に電ピ走行が可能です。
足まわりを見ると、フロントはMTB用のストロークが長いサスペンション、後ろはリンク式サスペンションを搭載し、前後に油圧式ディスクブレーキを搭載。
前後にファットタイヤを履いて「バネ下重量が重いのでは?」と思っていたのですが、そのような感じは全く無く、むしろハンドリングは軽く取り回しも良い。直進性やコーナリング時の安定性、ブレーキの制動性もなかなか良いと感じました。
無骨なスタイルとは反して軽快な乗り心地でした。これらは車重約35kgととても軽い恩恵もあるのだと思います…。
また、グリップ式のスロットルも普段バイクに乗るボクには嬉しい仕様です。レバー式スロットルよりも、繊細な速度調整が可能なのです。
新モーターは無音では有りませんが、走行中に鳥の鳴き声がジェットヘルメット越しにも聞こえて来るほど静かです。
特に静かな住宅街や裏道は、走行音を気にせず気兼ねなく走れて快適。 街ゆく人の話し声も聞こえてきて、いつもの道が新鮮で楽しく感じます!
そうそう、登り坂も静かに楽々走りました。
この写真のような激坂では速度が落ちますが、ペダルを漕いで モーター + ペダルのハイブリッド走行 をすれば速度が少し回復し、登れない坂は有りませんでした。これもモペッドならではのメリットですね!
それと電動バイク初心者あるあるなのですが、停車時のアイドリング音がないため、うっかりスロットルを触って意図せずに走り出してしまうことが有ります。
「MIRAI S」には一定時間モーターが停止すると、自動でスロットル操作ができなくなるオートパーキング機能があり、信号待ちなどでも作動し安全性を担保しています。発進時に右手元のパーキングスイッチを押して、簡単に解除出来ます。
モーター + ペダルのハイブリッド走行は、発進時、急坂や急加速時に使いましたが、モーターの力も借りてとても快適に漕げます。
ところがモーターのアシストがない 自転車モード で漕いでみると車重約35kgが重く感じます。 特にシートの高さが固定のため、身長172cmのボクにはペダル漕ぎにはちょっと低く、力も入れにくいのです。
そのため自転車のように少し重いギヤからスタート…はかなり大変で、軽いギヤから走る必要がありました。
快適に漕げる速度は人によって異なると思いますが、ボクは下から順に上げて、5段ギヤで巡航走行は15~18km/hぐらいです。もっとギヤを上げれば20km/hは越えますが体力勝負になりました。
自転車モードは一般的な自転車の感覚とは違いますが、それでも万一バッテリーが無くなった際には「漕げば走れる」安心感は、モペッドならではの大きなメリットと思います。
充電はバッテリーを車体に搭載したままでも外してもOKな2Way式。 バッテリー重量は約4㎏なので室内への持ち運びも楽々でした。充電時間は約3時間。バッテリーは装着時にロック施錠が可能です。
New「MIRAI S」なかなか良いです。20万円を切る価格で多機能な3Way バイクで、満足度も高いと思います。
とにかくハンドリングが軽くて軽快です。押して歩く場合でも約35kgの車重はとても楽々! スタイリッシュで乗る事が楽しくなるNew「MIRAI S」でした。特に試乗したこのスカイグレー色は、光によって青みが増したり、グレーが濃くなったり表情が変化して、楽しみが倍増でした。
敢えて唯一不満な点を挙げると、ハンドルロック機能が無いことかなぁ…。チェーン錠を持ち歩きました。まっ、足元のカゴに入れていたので持ち運びは大変では無かったですけどね。
撮影ではカメラマンの前を何度も行ったり来たりとストップ&ゴーがとても多く、激坂も場所を変えて何度も走ったため、バッテリーの減りは早い印象でした。
ですが後日、都心部への所用時にMIRAI Sならではの惰性走行を多用して走ってみると、バッテリーはなかなか減りませんでした。やっぱりこの手法は良いですね!
しかも今日はもっと航続距離が伸びるかも!と、昨日の自分の電ピ走行記録との闘いが楽しく、新たな楽しみ方を発見!
旧モデルから改良した点も多いのに、価格を5万5000円も下げて、定価19万8000円 になった点は、ボク的に高評価です。
最悪電欠になったら漕げば大丈夫! という安心感はやっぱりモペッドの最大の良さですね! USBポートもあり、車体が非常用バッテリーになるのも良い点ですね!
全国にディラーがあることや、修理パートナーがあることも安心のひとつと思います。
※紹介した車両は量産前の試乗車で若干変更点が出る可能性もあるかも知れません。最新情報は公式ページを参考下さい。
COSWHEEL「MIRAI S」Specifications
●全長×全幅×全高:1630×600×1050mm ●シート高:770mm(適応身長150cm~) ●車体重量:約35kg ●原動機:インホイールモーター●定格出力:0.5kW ●最高速度:約45km/h ●最大航続距離:約30km●バッテリー:リチウムイオンバッテリー●バッテリー電圧/容量/充電時間/重量:48V/10Ah(0.48kWh)/約3時間/約4kg ●ブレーキF/R:油圧式ディスクブレーキ ●タイヤサイズ:F‣R/20×4 ●車体色:スカイグレー(試乗車)、マットブラック、ピュアホワイト
■COSWHEEL「MIRAI S」公式HP
https://coswheel.jp/mirai.html
※第2期予約キャンペーン中!
2025年5月15日まで、①リヤキャリヤ ②スマホホルダー ③1万円分クーポン(公式オンラインショップで使用可)の、総額2万円を超えるキャンペーンを行っています。
※この記事では、原付一種の「MIRAI S」を紹介しましたが、デザインが同じで、免許が必要なくても乗れる電動アシスト自転車の「MIRAI COMFORT」も同時発売されています。
■COSWHEEL「MIRAI」シリーズ 公式HP
https://coswheel.jp/