Reporter:高山正之/1955年山形県生まれ 時々物書き。
2020年7月に46年務めた本田技研工業(二輪車広報マン)を65歳で退社。
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1957年にホンダは、「4サイクル・OHC・2気筒250cc エンジン」を搭載した、「ドリームC70」を発売しました。この高性能エンジンは、神社仏閣からヒントを得てデザインされた斬新な車体に搭載されました。 ホンダの高性能エンジンの歩みは、ここから始まったと言っても過言ではないと思います。
そして、翌1958年に発売されたのが「ベンリイ C90」です。エンジンは「4サイクル・OHC・2気筒125cc」。世界的に見ても、量産車では唯一でした。
当時の国産125ccのオートバイは、ほとんどが2サイクル単気筒でしたから、業界を驚愕させるほどのインパクトがあったと想像できます。高級かつ精密なエンジンは、1959年に初出場したマン島T.T.レースに投入した125ccのワークスマシン「RC142」と同じボア、ストロークでした。
この「ベンリイ C90」に先進のセルモーターを採用したのが「ベンリイ C92」です。さらに C92 をベースとして開発されたのが、「ベンリイCB92 スーパースポーツ」です。
初めて「CB」の名前が付けられた量産車で、スーパースポーツの名前にふさわしく、レース出場用のキットパーツも用意されていました。
1959年、発売まもなく開催された第2回全日本モーターサイクルクラブマンレースと、併催の第3回浅間火山レースに於いて、新進気鋭の北野元選手により、「CB92」がそれぞれのクラスで優勝を飾りました。その高性能ぶりは全国に轟き、CBとレースの関係はここから始まったのでした。
では、当時のカタログで「ホンダベンリイ125」の魅力を探ってみましょう。
(※カタログは個人所有のため、汚れや破損についてはご了承ください)
1959年の制作と思われる「C92」と「CB92」合作のカタログから
「C92」の紹介では、最高出力11.5馬力の高性能エンジンを強調しています。
「C92」と「CB92」を並べたカット。海外向けカタログにも流用したと思われます。
「CB92」の最高出力は15馬力に高められました。主要諸元の横には、各種レース用部品の一覧表があります。
表4には、カタログ撮影時のメイキング写真を配して、遊び心が感じられます。
ブランド名の「ベンリイ」と「CB」は現在も大切に受け継がれ、「ベンリイ」は 50cc~110ccの車両と電動二輪車に、「CB」は125cc ~ 1300ccまで 幅広いラインアップでファンの期待に応えています。
【了】
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