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新登場! ペダル付き電動バイク「マーベリックS1-1000RS」(原付二種)|60V 1.0kWの新モーターで最高速65km! 「S1-1000」との比較とスパ太郎の試乗インプレ!

「マーベリックS1-1000RS」 プロトタイプ


Reporter:近藤スパ太郎 Profile Page
オフロード大好き、電動バイクの試乗がライフワーク(バイク誌にも電動バイク試乗記を連載中)。
■取材協力:Maverick Technology

「マーベリックS1-1000RS」の特徴

・ペダル付きモペッドタイプの電動バイク
・原付二種で、免許はAT小型限定以上が必要
・現行モデル「S1-1000」のニューモデル
・「自転車」「電動アシスト」「電動バイク」の3つの走行ができる
・新開発の60Vハイスピードモーターで、最高速とパワーが向上!
・バッテリーを2個搭載でき、航続距離が倍になる!
・日本人向けに開発されている!
・自分でカスタムしやすい工夫がされている!

と、箇条書きにするとこんな特徴がある、「マーベリックS1-1000 RS」(原付二種)

遊べる電動バイク「S1」シリーズを展開するマーベリックの新型車両で、現行モデルの「マーベリックS1-1000」(原付二種)のニューモデル! 開発もほぼほぼ最終段階に入り、9月から応援購入サイトの CAMPFIRE で先行販売されています。(2022年10月31日まで)

ハイスピードタイプの ”新モーター” を搭載し、最高速が10km/h UPして、時速65km/hになったそう! さらに航続距離が向上した新バッテリーも先行販売されています。

以前「S1-1000」に試乗して、「原付二種でペダル付き、しかもパワフルで面白い!」と 好印象だったボクは、”新開発のハイスピードモーター” にも興味津々。そこで「開発中のバイクに乗れませんか?」と、マーベリックの開発者に無理矢理お願いをして、市販車両に近いプロトタイプの車両を試乗させて頂きました~!!

「おぉ~、全体的にパワーが向上しているんですねぇ~! 」。 市販車両での ”改良予定点”も、こっそり教えてもらいました。 試乗後に開発者から電話が来て「えっ? SPANGSSで書いちゃってもいい? ありがとうございます!」。

……という事で、ボクの試乗インプレはモチロン、最新の改良予定点も書かかせて頂いちゃいます~!


「マーベリックテクノロジー社」って?
ガソリンバイクに負けない理想の電動バイクを作ることがモットーのEVベンチャー。フレームやモーターも自社でデザインし、ロサンゼルス・東京・常州(中国)の3拠点体制で日本のライダーや道路環境に合わせた製品の開発をおこなっている。 現在、ペダルが付いたモペットタイプの「S1」シリーズとして、電動アシストモデルの「S1-350」、原付一種モデルの「S1-600」、原付二種モデルの「S1-1000」の3種類をラインアップ。そして今回「S1-1000RS」が加わるのだ!



これがNewモデル 「マーベリックS1-1000 RS」だ!

フレームや外観は、現行モデルの「S1-1000」とほぼ一緒。だけどモーターが大きくなっている事が直ぐにわかるのと、ふかふかシートに変更になっていたり、これから変更するパーツも幾つかある様です。

ボクのお気に入りはこの角度からのアングル。ファットタイヤと、水平基調のスリムなアルミ製ダブルクレードルフレームがカッコいいです!

「マーベリックS1-1000RS」(原付二種) ※写真はプロトタイプ
販売価格:35万2000円(税込)

【マーベリックS1-1000RS SPEC.】
●全長×全幅×全高(mm):1730×700×980(ハンドル高) ●シート高:800-820mm ●ホイールベース:1140mm ●車体重量:約35kg(1バッテリー時) ●原動機:60V1.0kWハイスピードモーター ●定格出力:1.0kW  ●最高速度:65km/h ●航続距離:50km(標準バッテリー1個で30km/h走行時) ●最大登坂角度:15°(65kg重量時) ●駆動用バッテリー:脱着式リチウムイオンバッテリー ●バッテリー電圧/容量/充電時間/重量:60V/15Ah(900Wh)/8時間(満充電まで)※別売急速充電器の場合は約3時間 /約4.7kg ●ブレーキ:F・R/油圧式ディスクブレーキ(CBS装備) ●タイヤサイズ:20×4インチ ●車体色/シート色:ブラック/ブラック、ミリタリーグリーン/ブラウン、サンドベージュ/ブラウン、マットホワイト/ブラウン ●乗車定員:2名


注目の改良点、新開発のハイスピードモーターはコレ!

■これは現行モデル「S1-1000」のインホイールモーター。

「S1-1000」は小型モーターを採用して、高速で回転するモーターを5:1のギヤで回転速度を下げて駆動輪にパワーを伝える仕組み。この方法でコンパクトなモーターにもかかわらず、パワーが増す特徴があります。



■「S1-1000RS」にはパワーUPした大型インホイールモーターを採用!

「S1-1000RS」に搭載した、新型の60V 1.0kWのハイスピードモーター。 比べると新モーターは二回りぐらい大きくなってます。 ギヤは使わずに、モーターのパワーをダイレクトにタイヤに伝える仕組みで、エネルギーロスが少ない…というのが理論上の考え方。

開発者によれば、中間加速から最高速度を重視した設計にしてあるそうで、これにより、最高速が55km/h から 65km/hに向上しています。


因みに、原付二種クラスでは、48Vのモーターを搭載する車両も多いのですが、マーベリックでは、よりパワーのある ”60Vのモーター”を「S1-1000」でも「S1-1000RS」でも採用しています。


ペダルが付いてる「S1-1000 RS」。「自転車」「電動アシスト」「電動バイク」の3つの走行が楽しめちゃう!


1.自転車モード走行モード1 → シマノ製7段変速ギヤを活用して、ペダルを漕ぐ人力のみで走行。

2.電動アシストモード
走行モード2 → ペダルを漕ぐとモーターパワーが漕ぎをアシスト。スロットル操作は出来ない。

3.電動バイクモード走行モード3~5 → スロットル操作で走り、最高速度が異なる3~5の ”3つのモード” がある。さらには、ペダルを漕ぐとモーターパワーが走行をアシスト。つまりハイブリッド走行が可能ってワケ!

※注意:この車両は「原付二種のバイク」です。例え自転車モード、電動アシストモードでも、ヘルメット装着が必須で、歩道は走れないのでご注意を!


走行モードの切り替えは、左手元の+-スイッチで行う。


ペダルを漕ぐ時はシマノ製7段変速ギヤを使う。ギヤの変速は右手元で操作。


ペダルは折り畳み可能で、狭い場所でも駐輪しやすい!


跨った感じは、シートが改良されて快適に!

「S1-1000RS」プロトタイプの車両サイズは「S1-1000」と全く同じ。シート高は800mmで、身長173cm(股下は脅威の73cm)の低重心設計なボクでも、両足はベッタリ着きます。

ビーチクルーザー風の電動バイクって、アメリカの西海岸を中心に、今世界的にも人気がある。だから輸入品は欧米人サイズで作られている車両も多いんですよね。

でもマーベリックでは、日本人サイズに合わせてフレームから自社設計して、シート高も日本人に合わせて、身長155cmの人でも安心して乗れるように作っているそうです。


そして、シートが ”ふかふかタイプ” に変更されました。

「S1-1000」では、車体のスリムなデザインに合わせたスリムで肉薄のシートを標準採用しているため、ボクは長く乗るとお尻が少し痛くなったのですが、でも「S1-1000RS」では、クッション性のあるカフェレーサー風のタックロールシートに変更されて、ふかふかで座り心地が良くなった。これもイイね!


一番気になる「電動バイクモード(モード3~5)」を試してみました!

車体の起動は、リモートキーで電源ONの後、車体側の電源ボタン長押しをすると、車体のシステムがONになって走行可能状態になります。

ちょっと余談ですが、電動バイクはアイドリング音がないため、スロットルを不用意に触ることで誤発進してしまうことが時々あるんです。だから必ず車体に跨ってから、”走り出す直前に起動させる” ことが鉄則です。

そして一般的に電動バイクは、エンジン車よりもスロットルレスポンスが良く、原付クラスでもパワーが強いため、特に初めて乗る車両の走り出しは慎重なスロットル操作が必要……。 と自分に言い聞かせながらの走り出し。

おぉ! 「S1-1000RS」もスロットルレスポンスが良く、力強い初速で走り出します。 ちょっと個性的な走り出しですが直ぐに慣れました。それになんと言っても、車重が35kgとメチャクチャ軽くて、取り回しが楽々!


さてと、一番気になる「電動バイクモード(モード3~5)」を試してみました。

「おぉ! 確かにモーターパワーが強くなっている!」。 各モードで「S1-1000」よりもパワーレンジが広くなっていて、最高速度も高くなっていました。


■最高速にはこんな違いがあった!

「S1-1000」のメーカー公表スペック
モード3:30km/h
モード4:40km/h
モード5:55km/h。

この数値は、無風時に体重65kgの人が乗った時の実測値だそうで、体重77kgのボクの場合では、この数値からそれぞれ 3~5km/hぐらい低い速度でした。


「S1-1000RS」スパ太郎実測値
モード3:33km/h
モード4:45km/h
モード5:61km/h
  ※いづれもメーター値、少し風あり
※現在「S1-1000RSのメーカー公表値が無いので、体重77kgのボクが走った実測値です。


幹線道路も走れる! 平坦路でのモーターの評価

「S1-1000」も初速が良くて、信号待ちからのスタートでも他の車両に付いて走れるし、ペダルを漕げばさらにアシストパワーが加わって加速します。ボクの場合の最高速は50km/hちょい出るし、原付二種のモペッドとしては好評価です。

だけれど、クルマがバンバン走る都内の3車線や4車線の幹線道路では、右折時に一番右の右折レーンへ車線変更する時は結構気を使うし、場合によっては後続車に迷惑を掛けてしまい、ペダルを漕いで加速する場面もありました。 まぁモペッドだし、幹線道路を頻繁に使うにはちょっとキツイかな…という印象があった「S1-1000」です。


「S1-1000RS」では、「S1-1000」の ”少し物足りなさ” な点が改善され、ペダルを漕がなくても、スロットル操作だけでも幹線道路を走れるようになったこと。右折レーンへの車線変更もスムーズになり、最高速が伸びたことで、全般的にも少し余裕のある走行などができるようになっていました。

但し、ボクの77kg体重の場合は、「モード5」で45~50km/hぐらいまでは加速力があるのですが、そこから上の60km/hの最高速度までは、ジワジワ…と伸びる感じです。

また幹線道路で他の車両と一緒に走る為には、スロットル全開走行が必然的に多くなるのため、バッテリー消費が早い! という印象もありました。


サスペンションやブレーキは、アップグレードされる予定で、でもこのプロトタイプ車のままでも走行安定性は良いのになぁ……とボクは感じました。(でも、さらに良くなるってことですね!) 確かにフロントサスはちょっと固い印象もあったしね。



最大登坂角度は「15度」。さらにペダルアシストでグイグイ登った!

一般的なオーバーパスやアンダーパスの登り坂は、問題なく走行できました。 なにしろ「S1-1000」も「S1-1000RS」も、最大登坂角度は「15度」となっていますからね。このメーカー公表のスペックも、体重65kgの方が乗った時の実測値です。

「15度」というと、ママチャリでは立漕ぎでも登らず、押し歩きをしないと登れない結構な上り急坂で、ボクも「15度」近い登り坂を登ってみました。

「S1-1000」も「S1-1000RS」も、こんな激坂では速度が遅くなるのですが、両車両ともにスロットル操作だけで登りました。 でも「S1-1000」の方が少しだけ力強いかな…というのがボクの印象。これは高速で回転するモーターを5:1のギヤで回転速度を下げているため、トルクが上がっていることが理由だと思います。


「S1-1000RS」は、速度(回転数)が上がるとパワーも増す様で、激坂でパワー不足を感じたら、ペダルを漕げば「人力」と「モーター」がアシストしてスピードが増す。そしてある速度(回転数)からはモーターパワーが強くなり、スロットルだけでも登る…といった感じでした。 因みに「走行モード5」が一番登坂力がありましたね!


ボクのこれまでの数々の試乗体験では、同じ原付二種クラスの車両でも「48Vのモーター」の場合は、ここまでの登坂力はまず有りません。 登る場合でも直ぐにモーターや電装系が発熱してしまい、車両側で制御が働いてしまって停止してしまうことが多いんです。ある程度の距離は登り続けてくれないと…ね。

マーベリックの場合は、「60V」という高い電圧のモーターを搭載しているから、こういう過酷な場面で違ってくるのでしょうね。



「S1-1000RS」の新モーターの一口総評

モーターが大きくなったことで、モーター重量は増えているものの、走った感覚では後輪のバネ下重量が重くなった…とは感じないです。最高速度だけではなく、加速パワーも向上しているため、目的速度への到達時間も「S1-1000RS」の方が早くなり、よりキビキビした走行が出来ました。

原付二種クラスでは、パワーに余裕がある方が、やっぱり走り易いですよね!


その他のディテールと、変更予定箇所など紹介!


プロトタイプでは「S1-1000」のパーツが多く採用されていますが、市販される「S1-1000RS」は、変更が決定している、変更予定が幾つかあります。

まず足まわり。プロトタイプは、個性的な20インチのファットタイヤはオフロードタイヤを履いていますが、販売車両ではロードタイヤに変更。前後サスペンションは、より快適性の高いものに変更予定だそうです。

ブレーキまわりは、プロトタイプでは自転車用のディスクブレーキが使われていますが、販売車両では、オートバイ用に変更される可能性が高いそう。

また前後連動ブレーキのCBSを搭載して、リヤブレーキを掛けると同時にフロントブレーキも効く仕様ですが、このCBSも販売車両ではUPグレードされる予定です。

フロントフェンダー、サイドカウル、ベルクロで止める簡単脱着式フレームバッグは「S1-1000RS」限定の付属品。サイドカウルは金属製で丸みがある物に変更される予定。

フレームバッグは容量があり、充電器も余裕で入る大きさ。

フレームバッグのかわりに、オプションでバッテリーを追加すれば、航続距離が倍になります!

標準バッテリーは、一般的な18650型のバッテリーセルを使用し、1個60V15Ah(0.9kWh)、重量約4.7kgで、航続距離は約50km(30km/h走行時)。

現在新開発中の容量が大きくなった「ロングレンジバッテリー」は、ひと回り大きくなりますが、同じ場所に搭載でき、フレーム内にキッチリと収まるそうです。 また、テスラの電動自動車にも使われている21700型バッテリーセルを使用し、1個が60V20Ah(1.2kWh)。理論上の航続距離は、標準バッテリーよりも133%伸びると予測しているそうです。


■航続距離の目安
60V 15Ah=標準バッテリー 
60V 20Ah=新開発バッテリー

【バッテリー1個搭載時】
時速30km走行時:50km(60V 15Ah), 65-70km(60V 20Ah)
時速50km走行時:25km(60V 15Ah), 33-38km(60V 20Ah) 

【バッテリー2個搭載時】
時速30km走行時:100km(60V 15Ah), 130-140km(60V 20Ah)
時速50km走行時:50km(60V 15Ah), 66-76km(60V 20Ah)
※航続距離は走り方・ライダーの体重・道路状況・気温などによって変わる


標準バッテリーの充電時間は、100V電源を使用して満充電まで約8時間。オプションの急速充電器を使用すれば、約3時間に短縮される。


電動バイク専用の縦型のカラーディスプレイを採用。現在の走行モードや消費電力なども表示する。


灯火類はLEDを採用。フロントウインカーのステーはスチール製からアルミ製の一体部品に変更される予定。ユーザーが自分でカスタムやメンテナンスをし易い様に、電装系は12Vに統一して、配線はカプラで簡単に外せる仕様。


車体電源のON・OFFはリモートキーで操作。セキュリティONにしておけば車体の振動センサーが感知して、一定時間車体から大きな警告音が鳴り盗難を抑止します。


車体がコンパクトなので、玄関先に置けるのもイイですね!


スパ太郎の「マーベリックS1-1000 RS」総評

速度やパワーが向上して、より走行が楽しくなりました。自分のライフスタイルに合わせた使い勝手ができて、このままのノーマルで乗っても個性的。敢えてシンプルな造りに仕上げているので、カスタムベースにもなる電動バイクです。

”原付二種” を選択することで、30km/hの法定速度制限や、二段階右折から解放される利便性は大きい。 それに、任意保険も自動車の原付特約ならお得に掛けられるしね!

幹線道路では全開走行となりますが、交通量の多くない道、住宅街や裏道では、より「S1-1000RS」の快適さが実感できました。走行音が静で、走りながら鳥の声が聞こえる…っていうのも、電動バイクだから体感できる楽しさですね!

ボクが数々試乗した、ペダル付きの電動「モペッド」と比較しても、けっこう上位にランキングし、欲しい電動バイクの1台として考えています……。

一方で、「自転車モード」や「電動アシストモード」でのペダル漕ぎ。これはボクにはシートが低くて、しかもジェットヘルメットを被っていたため、このモードをメインで走行するのは結構ハードでした……。 もちろん、バッテリーが無くなった時の緊急用としてはとても心強く、有り難い装備です。

「S1-1000RS」で走るのなら、やっぱりスロットルで走る「電動バイクモード」が一番楽しいですね!


「S1-1000RS」2022年10月31日まで CAMPFIRE で先行販売中。
CAMPFIRE 購入サイト https://camp-fire.jp/projects/view/620360
※アフターメンテは、全国約50店舗の提携パートナーで対応。詳細はマーベリックの公式サイト参照。



■マーベリックテクノロジーHP:https://www.mavericktechnology.jp/


■スパ太郎インプレッション記事:ヤングマシン 「マーベリックS1-1000」スパ太郎インプレッション!
軽くてパワフルなEVファットバイク登場!【マーベリック S1-1000】スパ太郎の試乗インプレッション



【了】

この記事を書いた人
◇ MC・パーソナリティ・俳優 ◇ 趣味:二輪車・電動バイクの試乗 ◇ 埼玉出身・東京在住 ◇ 環境問題パーソナリティ
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