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ハーレーダビッドソン初の電動バイク「ライブワイヤー」。スパ太郎の乗ってないけどインプレ!

Photo:小沢和之・近藤スパ太郎/HDJ
Reporter:近藤スパ太郎
趣味:電動バイクの試乗(バイク誌に電動バイク連載中)
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TVのNEWS番組も「電動ハーレー」に大注目!

ハーレーダビッドソン”初”の量産型電動バイク「ライブワイヤー(LiveWire)」が日本でも発売されました!

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2020年12月3日に神田明神で行われた「ライブワイヤー」の記者発表。

“試乗”も車両の”起動”も出来ない…というハーレーダビッドソンジャパン(HDJ)からの事前連絡は頂いていましたが、「実車を見たい!」 とボクもお披露目会に参加して来ましたー!

それにしてもバイクの記者発表で、こんなに沢山のメディアが詰めかけるとはオドロキ! バイクメディア以外にも、在京民放キー局のTVクルーたちの姿も見られました。

それだけ注目度が高い、ハーレーダビッドソンの電動バイクなのです。

その背景には、菅義偉首相の「日本2050年脱炭素」宣言の後に、あのハーレーダビッドソンが…! というコトも重なったのだと思います。

「オレンジヒューズ」と「ビビッドブラック」の2色を展開!


バイクは乗ってナンボ。乗って走ってみない事には実態はわかりませんが、何年も電動バイクを試乗取材しているボクは、興味津々。
スパ太郎目線での「乗ってないけど…」リポートです!


まず、カッコいいです。

エンジンの替わりに、モーターとバッテリーを積んだ「電動バイク」としての存在感、雰囲気、めちゃくちゃカッコいいと、ボクの感想です。

足付きはメチャクチャ良いです。
股下73cmの低重心構造のボクでも、足付きはバッチリ!

Newハーレーとしての風格もありますよね!

余談ですが、この革ジャンは、2000年に高田純次さんや布施博さん達と、アメリカのルート66を、シカゴ ー ロサンゼルスまで約4000kmをハーレーで全走破した事があるのですが、その時にボクが着ていたハーレーの革ジャン。 パンツは同じく2000年から愛用している、浅草カドヤのチャップス。どちらも年代物です。(OA:日テレ)

「電動モーター」「バッテリー」「コントローラー」は、ハーレーが開発!

日本での展開は、完全に日本仕様です。 アメリカやヨーロッパでは2019年から発売されていすが、さらに改良が加えられています。

そしてザックリですが、電動バイクはラジコンと同じように「モーター」「バッテリー」「コントローラー」の大きく3つがあれば走ります。

プラレールやプラモデルのように、電源をONにすると、いきなりMAXで走り出すのがEVの特徴。 でも乗り物の場合は、いきなりMAXで走るのは危ないので、スロットル(アクセル)の操作にあわせて、モーターに流れる電流量を調整しています。

それが「コントローラー」。電動バイクの頭脳で、コンピューターのコトです。

ハーレーダビッドソンでは、電動バイクの要である「モーター」「バッテリー」「コントローラー」を自社で設計と開発をしています。

モーターとバッテリー を見てみよう!

■「モーター」について

車体下のシルバーの部分がモーター。
重量物を一番下に持って来て、低重心性を計ったレイアウト…と思われます。

モーターの定格出力や最高速度は公表されていませんが、最大トルクは114 Nm、最高出力は75kWを発生し、「約3秒で100km/h」まで到達する性能を持つそうです。

モーターは一般的には丸い形状が多いですが、コレは筒状のモーターですね。ハーレーではこのモーターを「H-D REVELATION」と呼んでいます。

モーターは回転すると熱を発生するので、冷却する必要が有ります。

現行の電動バイクの場合は、構想とコストの問題から、走行風で冷やすシンプルな構造の「空冷式」が多いのですが、ライブワイヤーでは「水冷式」を採用。 ラジェーターがダミータンクの下に有りました。 この水冷式で、オンボードチャージャー(OBC:搭載している充電器)も冷却しているそうです。


エンジンのハーレーは「ドドッ、ドドッ、ドドドッ!」という独特なエンジンサウンドですが、電動の「ライブワイヤー」は「ヒュィーーーーン!」というEV独特の静かな音を発生します。

ライブワイヤーのこの音は、モーターの回転をタイヤに伝える時の構造(回転を縦から横に変換する)、ベベルモーターから発生する音だそうです。

モーター音参照

アメリカ仕様ですので日本仕様とは異なりますが、参考まで!  ココで紹介されいるクラウドコネクトは日本では発表されていませんが、いづれ出来るかもしれませんね!


■「バッテリー」について

モーターの上の、空冷フィンがある黒い大きな物が、15.5kWhという大容量・高電圧のリチウムイオンバッテリーが入ったバッテリーBOXです。

バッテリーも発熱するので、アルミダイキャストのバッテリーBOXにこのようにフィンを沢山付けて、走行風で放熱する仕組みです。(空冷式ですね!)


バイクは、バッテリーを沢山詰めるEV自動車と違い、積載量が限られ、速度性能や加速性能を上げるほど、航続距離が短くなります。

でも「ライブワイヤー」は、カタログデータ上では最大航続距離が235km(シティモード)、高速道路でも152km 走るそうで、このスペックは既存の電動バイクの中でもかなり優秀です。

またスロットルを戻した時のエネルギーを、バッテリーに蓄電する回生充電機能(回生ブレーキ)も備わっています。

バッテリーには5年間の走行距離無制限の保証も付帯していて、完成度の高さが窺えますね。

因みにハーレーダビッドソンではこの独自のバッテリーを「RESS」と呼んでいます。 何ですかそれ? と聞いたところ「Rechargeable Energy Storage System(電力貯蔵システム)」だそうです。

バッテリーセルはサムスン製です。

■「コントローラー」は外からみえない…
コントローラーは、ダミータンクの中にあるそうで、外からは見えません。

一口に「コントローラー」と言っても種類が多く、電動バイクを動かす為の頭脳でコンピューターのことを指す事が多いですかね。 色々な頭脳が集約されたタイプなどもあります。

コントローラーも発熱するため、冷却対策が必要です。ダミータンクの下の部分に、走行風を取りこむダクトが有りました。

車体内部に風を送り込んでいるダクト。 これでコントローラーを冷やしているのかも知れません。。。

急速充電と普通充電の2つに対応!

ダミータンクの上部には、200Vの普通充電 「J1772」規格の充電口があります。 この充電では空状態からフル充電まで約12.5時間。 

急速充電の「CHAdeMO(チャデモ)」での充電も可能。CHAdeMOの充電口はシートの下にあります。 急速充電なら、空からフル充電まで約1時間、30分でも60%、40分で80%充電できるそうです。


実はこの「CHAdeMO」の充電方法は、aideaという日本の電動バイクメーカーが、自社の三輪電動バイク「AA-カーゴ」に搭載可能! と、昨年の東京モーターショーで発表していましたが、受注オーダー制なので、電動バイク量産車としての国内導入はライブワイヤーが初めての車両だと思います。

「CHAdeMO」や「普通充電器」の設備は、商業施設やカーディラー、高速のSA/PA、道の駅や青空駐車場などにも普及しつつあり、どの場所にどんな充電設備があるか…もわかるアプリもあります。

外出先での充電も可能なので、休憩中に充電をしながらのロングツーリングもできそうですね!

走行モードは全部で7種類!

走行モードは、スポーツ性能をフルに発揮する「スポーツ」、日常で使用しやすい「ロード」、雨の日に滑りにくい「レイン」など、回生ブレーキ性能が最大で航続距離が伸ばせる「レンジ」、ライダーの好みで設定できる「カスタム(3モード設定可)」の、全部で7つから選べます。

他の電動バイクで感じた事ですが、電動バイクは走行モードの変更で、バイクの性能や体感が大きく変わります。メーカーが設定した4モード、早く体感してみたいですね!

他にもライブワイヤー専用設計の数々…

■タイヤ
ミシュランが、ライブワイヤー専用に開発した「Michelin® Scorcher® “Sport”」というタイヤを前後に履いています。

特徴は真っ直ぐ走る時の接地部分はハードなコンパウンド(タイヤの素材)、コーナリングでバイクを倒した時に使うサイド部分はソフトコンパウンドを使用。

まぁ今のタイヤは皆そういう特性を持っていますが、よりライブワイヤー専用(トルクが非常に大きく、重い車重でもスポーツ走行可能な)タイヤを開発した…ってワケです。

■ショーワ製サスペンション!
ライブワイヤーのために独自設計された、日本のショーワ製のサスペンションが前後に付いています。
フロント⇒ SHOWA® SFF-BP 43mm フルアジャスタブル倒立フロントフォーク

リア⇒ SHOWA® BFRC-lite® フルアジャスタブル リアショック

簡単に言うと、軽量化を図り高いダンピング(伸びる時の減衰力)を持つ…、つまりスムーズに走れ、ブレーキングもスムーズという性能を持ちます。


■ブレーキ

ブレンボ製のモノブロックキャリパーをラジアルマウントで搭載。高性能なスポーツバイクに多く採用される方式です。

■ベルトドライブ採用

チェーンではなく、ベルトドライブを採用。
元々ハーレーはエンジン車にもベルトドライブを採用していますが、強烈なトルクを発生する電動モーターを搭載する電動バイクには、ベルトドライブの方がパワーの伝達性能が良いのです。 静粛性も高いので、高性能な電動バイクには多く採用されている方式です。

車検なし! 大型二輪免許が必要!

ライブワイヤーの定格出力は未公表ですが、車両の登録は250ccクラスと同じ「軽二輪」。車検はありません。

ですが「20kWを超える車両については大型自動二輪免許が必要」であるため、運転免許は「大型二輪免許」か「大型二輪AT免許」が必要です。


SPEC.
HARLEY-DAVIDSON LiveWire[2021model]
●全長:2135mm●シート高:795mm●車両重量:255kg●モーター:H-D REVELATION●バッテリー容量:15.5 kWh RESS=Rechargeable Energy Storage System(電力貯蔵システム)●充電時間:普通充電[0 から100%充電で12.5時間] DC急速充電:0から100%充電で1 時間●最大航続距離:市街地=235km/高速道路=152km●最大トルク:114Nm●最高出力:75kW●ブレーキ:フロント/ブレンボ 4ピストンラジアルマウントモノブロックキャリパー リア/ブレンボ2ピストンキャリパー●サスペンション:SHOWA SFF-BP 43mm フルアジャスタブル倒立フロントフォーク/SHOWA BFRC-lite® フルアジャスタブルリアショック●タイヤ:Michelin Scorcher”Sport” フロント:120/70 ZR17 58W/リア:180/55 ZR17 73W●走行モード:スポーツ、ロード、レイン、レンジ、カスタム(3種類)●カラー:ビビッドブラック・オレンジヒューズ●メーカー希望小売価格:349万3600円(税込)

13か所のハーレー・ディーラーで特別展示される!

「ライブワイヤー」は、12月6日(日)まで神田明神でお披露目展示されます。(車両に跨る事はできません)
その後は12月11日から、全国13か所のハーレーダビッドソンディラーで「ライブワイヤー特別展示開」が行われます。

■ライブワイヤー特別展示開催店舗一覧
12/11(金)~13(日) 東海・近畿
ハーレーダビッドソン中川(愛知)、
ハーレーダビッドソン沼津(静岡)
ハーレーダビッドソン南大阪(大阪)、
ハーレーダビッドソンプラザ伊丹(兵庫)
ハーレーダビッドソン神戸(兵庫)
12/18(金)~20(日) 北海道・西日本
ハーレーダビッドソン札幌(北海道)
ハーレーダビッドソン倉敷(岡山)
ハーレーダビッドソンバルコム広島(広島)
ハーレーダビッドソン佐賀(佐賀)
1/9(土)~11(月祝) 関東
ハーレーダビッドソンバルコム杉並(東京)
ハーレーダビッドソン東久留米(東京)
ハーレーダビッドソン埼玉花園(埼玉)
ハーレーダビッドソン横浜(神奈川)

ぜひ、見に行ってみては如何ですか?
■ハーレーダビッドソン HP


こーんなボクの姿も撮られていました!  真剣そのものです…。


早く試乗したいですね!!

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この記事を書いた人
◇ MC・パーソナリティ・俳優 ◇ 趣味:二輪車・電動バイクの試乗 ◇ 埼玉出身・東京在住 ◇ 環境問題パーソナリティ
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