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スパ太郎の盗難バイク奪還記。(第2回) ”まちがいなくプロの犯行だ!”

都内で盗まれ、タイで発見されて取り戻したXR-BAJAで、日本縦断ラリーに参加しました!

Reporter:近藤スパ太郎
趣味:オフロードバイク/自転車
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【盗難バイク奪還の記録。 東京で盗まれたバイクがタイで発見された!】の(第1章)は、コチラ をご覧ください


やっぱり素人じゃない。「コレは間違いなく “プロの犯行”だ!!」

1回目の盗難は、2001年の4月26日。

あのバイクが無くなった時の、何がどうなっているのか、現状を把握できない衝撃は、今でも忘れないですね。

4月26日は、去年に続いて3連続出場となるロシアンラリーへ参加するために、東京を出発する前日でした。

盗まれた場所は公園横のちょっとしたスペース。 ここに3年ぐらい止めていました。(詳しくは「第1章」を見て下さい)

ラリーとは言っても「ツーリングラリー」なので、タイヤをグリップと耐久性が良い物に変えたり、風よけのウインドスクリーンを付けたり、ルートマップを見る為の専用の箱(マップホルダー)を付けている以外は、殆どノーマル。 競技用ではなく、ハードなツーリングバイクみないな感じです。

最後の準備として、ラリーっぽさを演出する為に、ステッカーを貼る為に出場するバイク「XR-BAJA」を止めている場所へ行くと、、、「あれ?バイクが無いぞ…??」となったのです。


「あれ? 昨日は飲んで帰って来たっけ? バイク置いてきたかな?」と、昨夜の記憶を辿る……。 「いや、飲んでないか…?  違う場所に止めたかな?」と、徒歩1分ちょっとのアパートに戻ったり、良く行くコンビニの駐車場を確かめたり、周囲をうろうろ。

どこを見てもバイクが無く、更に自分の記憶が混乱して来くる。。。

「バイクが無いんだけど、昨夜はオレ、飲んで帰って来たっけ?」と、妻に電話して自分の行動を確かめる。『昨日はウチで麻婆豆腐食べたでしょ?』と妻。 「おぉ、そうだよね。。。」

妻と行っても、結婚式の少し前だったので、正式には彼女…ですが、妻に「オレのバイク、知らないよね?」と聞いてみる。

『放置自転車と一緒に撤去されたとか無いの? 公園の管理者とか、区の放置自転車とか、警察に電話してみたら?』。確かに…。 妻と話す事で少し冷静さが戻って来て、一度公園に戻ると、「あれっ? CRM‐ARも無い!」と、この時に気が付いたのです。

ここまで「バイクが無い!」となってから10分ぐらいでしょうか?

CRMにはU字ロックとワイヤーロックを掛けていたので、鍵を破壊してまでして撤去するかな?  「…まさか、盗まれたのか?」と、嫌な予感が少しよぎる。

「まさか…」という思いがドンドン強くなって、公園の管理者と区に電話をする声が、勝手に震えてしまう。 最後の望みは、警察だ! 「そうですか、撤去していませんか…。 はい、最寄りの交番に行きます…!」と、声がうわずるボク。


交番でも警察官に状況を説明する声が震え、しゃべりのプロであるボクが、パニックで支離滅裂になり、自分でも何を説明しているのか、よくわからなくなる。「盗難届け」を書く手も震えていた……。

受理番号を貰う時に、「まぁ、バイク盗はね、少年の仕業ですよ!」「そうそう、そういう統計データがあるからね!」と、2人の警察官に軽く言われ、カチン! と来た。

「少年がオフロードバイクを2台も盗みますか? 何を証拠に断言できるんですか! そんな事軽々しく言わないで下さい!」と、怒りをぶつけた事を鮮明に覚えている。

当時、オフロードバイクって、そんなに人気のある車種では無かったんですよね。 だからボクも「オフ車だし盗まれないだろう…」とタカをくくっていました。

今考えたら、大事なバイクを公園横に止めていたボクが悪いです。でもアパートでは「敷地に止めるな!」の貼り紙がされ、住宅街にはバイク専用の駐輪場が無いのも、20年経った今でも実情ではないかな…と思うのです。


ロシアへはメーカーの広報車で行き、帰国後もボクの手元に有りました!
大変有り難い事に、ロシアンラリーには、急遽メーカーから盗まれた当日に、同型のXR-BAJAをお借りする事ができ完走して来ました。

BAJAは、ロシアから帰国後もボクが暫く使用して良い事になり、「借りた車両が盗まれちゃシャレにならん!」 と、ウチから徒歩1分とすぐ近くの新築マンションに越してきた、友人が住むマンションの駐輪場を借りて止めさせて貰っていました。

ココの駐輪場はね、道路からはバイクや自転車は見えるのですが、道路との間に道路よりも70cm~80cmくらい高い位置に花壇があって、ここからバイクを下に降ろす事はできない。

オマケに駐輪場の入口はとても狭くて、ハンドルを切り返さないと出入りが出来ず、バイク駐輪場としては、設計ミスな作り。でもこの不便さが、逆に盗難防止にはモッテコイ!

ハンドルロックをしたバイクでも、前輪を台車やスケボーに乗せて簡単に運ばれてしまう…なんていう、盗難シーンの映像を見たコトがあったのですが、この駐輪場はそんな荒手な技すらも、難しい場所なのです。

そんな万全な場所に、当時市販で一番太いワイヤーロック2本で、駐輪場の柱とガッチリ固定していました。


2回目の盗難は、2か月後に発生!

2回目の盗難事件に遭う前夜。
あの日は、ボクのアパートの前の道路端で、夜中までBAJAをメンテナンスしていました。

パトロール中の警察官2人がやって来て「こんな夜中に何してるんだ!?」「この辺りはバイク盗難事件が発生して、パトロールを強化しているんだ!」と警察官たち。

眩しいライトでボクの顔やバイクを照らして職務質問と、身分証の提示も求められ 「えぇっ?オレが疑われてるの??」とビックリなボク。

「いやそのパトロール強化、ボクがこの近所でバイクを盗まれて、お宅の北沢警察署の副署長の加藤さんに、事情説明とパトロールの強化をお願いたんですヨ…」と説明する。

そんなやり取りが、夜中のAM1時半頃。 警察官たちは「そうか君か!」と納得してくれ、「自転車盗難も多いから、今直ぐそこの井の頭通りでも、自転車の検問をしているんだ!」 とボクに説明し、またパトロールに戻って行った……。


その後ボクが工具を撤収してBAJAを友人マンションの駐輪場に戻したのが、AM2時チョイ過ぎ頃。その時にはまだ、直ぐ近くの井の頭通りの歩道で、自転車の検問をしている警察官達の姿が見え、「確かにこの地域、防犯を強化してくれている!」「これなら安心だな」と、安心しきっていたのです。


そして翌日の昼前。
バイクで出掛けようと駐輪場に行ったボクは、またもや愕然としました。

ナント、再びバイクが消えていたのです…!!!

そんな、こんな立て続けに盗まれる??  しかも昨夜は遅くまで、直ぐ近くで検問やパトロールをしていたのに、いったいいつ盗まれたんだ!? 

駐輪場の柱と固定していた、市販で一番太いワイヤーロック2本も、切られてしまったのか、外されたのかは不明で、辺りを探しても見つからない。

「バイクは絶対に持ち出せない場所」だと思っていたのに、いったいどうなってるんだ!??


友人の証言で、盗まれた状況が見えて来た・・・!

マンションの友人に聞くと、友人はボクがバイクを駐輪場に戻した約3時間後の、AM5時に朝帰りしたそうだ。

その時にはバイクは無く、「スパ太郎、こんな朝早くからバイクで出掛けたんだ!」と思ったそうで、バイクが無かった事をハッキリと記憶している。

つまり、バイクを駐輪場にしまったAM2時チョイ過ぎからAM5時の間、たった3時間の間に、バイクが消えた…ってワケだ!

しかも警察に確認した所、駐輪場からも見える井の頭通りでの自転車の検問は、AM2時半過ぎまで行っていたそうだ。 そう考えると警察官がいなくなってから、約2時間半の間に犯行が行われた…と推測できる。


駐輪場の花壇脇(下)の道路には、擦ったような真新しいキズが複数付いていた。これは推測にはなるけれど、バイクは持ち上げられ、花壇の上を通って道路に降ろされたのでは? 道路に付いたキズは、バイクが降ろされた際にサイドスタンドで付いたキズと推測すれば、見事に一致する。

だけど、ガソリン満タン近くでラリー仕様。重量が150kg以上もあるバイクを、花壇の上を持ち上げる事なんてできるのだろうか? それに花壇や植え込みだって、荒らされている様子は、まったく無かった…。


後日、バイク屋の友人から聞いたのですが、トラックの荷台にクレーンが付いている「ユニック」という車両がある。通常はエンジンを掛けてクレーンを動かすのだけれど、「電動ユニック」なら、深夜の住宅街でも静かにクレーンを動かせるそうだ。

バイクの扱いに慣れている人が2名もいれば、バイクを吊るしてトラックに積んで立ち去るのに、2~3分も掛らないと言う。


ホント!?  そうだとするとコレってやっぱり、プロの犯行じゃないのか!? 

「だとしたら絶対に許せない!!」 


バイクを「3台」も盗まれ、怒りに満ちたボクは、ドキュメント番組を制作する会社のカメラクルー達を付けて貰い、夜な夜な、パトロールを開始するのである。

そしたら、「えー? あの人ナニしてるの?」  いるジャン!   怪しい人が、クルマが…!!

バイクのシートをめくって、次々に移動している。 ナニしているんだ??

あれは、バイクを盗もうとしているんじゃないの?  犯人じゃないの???

「カメラ回してますよ!  今撮ってます!」とカメラクルー。


そして、番組スタッフと一緒に取材を続け、バイク窃盗団の手掛かりに繋がって行くのです……。

=次回に続く…=

これが、最初に盗まれた、前の年にラリーに出場した時のXR-BAJA。 ステッカー類は貼りかえる前だったので、ほぼこの状態で盗まれています!
これが最初に盗まれたもう1台の車両、CRM-AR。これもほぼこの状態で盗まれています!

2回目の盗難が発生した場所、友人宅マンションにセローで行ってみました。今は植え込みになっていましたが、当時はセローのミラー高さ位のつつじと草花が植えられた花壇で、低木でした。 向こうに駐輪場が見えますが、道路との高低差はこんなにあります。

ちょうどセローを止めている下辺りに、当時バイクのスタンドで出来たと想像でた、新しいキズが道路に付いていました。 つまり、BAJAはサイドスタンドが立てられたままの状態で吊りあげられ、ここに降ろされた…と、推測できました。


【続きの「第3回」”バイク屋だから知るバイク盗難の裏事情” はコチラ


この記事を書いた人
◇ MC・パーソナリティ・俳優 ◇ 趣味:二輪車・電動バイクの試乗 ◇ 埼玉出身・東京在住 ◇ 環境問題パーソナリティ
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