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「苔テラリウム」を楽しむ人が急増中!? 今や海外でも「苔」人気が高いらしい…。

Reporter & Photo:近藤スパ太郎
好きな食べ物:プリン / チーズ
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2020年10月14(水)~16(金)に、千葉県幕張メッセで開催された「国際ガーデンEXPO」「ツールジャパン」「農業Week」の潜入レポです。
※業界関係者の商談展のため一般の方の入場は出来ません


今なお「苔」人気がジワジワと増殖中!?

正直なトコロ、ボクは「苔」に対して、良い印象を持っていませんでした。

というのも、うちのマンションの日陰には、都会の日陰にも生息する「ゼニゴケ」という苔が生えてしまい、取っても取っても、暫くしたらまたジワジワと生えてくるので、やっかい物扱いされているのです。見た目もなんか汚いですしね。

トコロが「国際ガーデンEXPO」に行き、ボクは苔への悪いイメージが一新しました。

数年前に「コケ女(こけじょ)」と呼ばれる苔好き女子が話題になったり、お笑いコンビ、アンガールズの田中卓志さんも、自分が育てた苔を「かわいい!」と愛でる姿をTVで見たコトはありました。

ですが苔ブームは、一部のマニア間でのブームでは終わらず、正しく苔がジワジワと広がって行くかの如く、今もなお、世界中に「苔愛好家」がジワジワと増えていたのです。


苔をテラリウムとして楽しむ「コケリウム」が人気らしい…

苔人気を裏付けるように「国際ガーデンEXPO」の会場でも、苔を展示するブースが多いのなんの。とは言え、苔に興味が無いボクは「他に面白そうなブースは無いかな…」と、見て回っていたのです。

トコロが!
「苔」をビンに入れて「テラリウム」として作品を展示するブースがあり、「えっ、コレが苔なの??」「苔って、こんな風にもなるの??」と、思わず足を止めてしまったのです。

これも「苔」なのです~!


「苔、好きなんですか?」と声を掛けられ、「いやぁ、それ程でも…」とは言いながらも、またじっくりと見入ってしまう……。

「この”ヤシの木” みたいなのも、苔なんですか?」と聞くと、「そうです! これは”コウヤノマンネングサ”という苔なんですよ!」と教えてくれました。

いやいや、どうみても「苔」ではなく、”ヤシの木のミニチュア” にしか見えない。それにビンの中で苔を育てるコトを『コケリウム』と言うらしく、今、海外でも人気上昇中なのだとか…。


苔について、色々と教えてくれがこの方、園芸研究家でプロアクアリストの”大野好弘” さん。

コケ・アクアリスト”大野好弘” さん。「苔の本」の著者。


ナント大野さんは、『コケリウム』の名付け親で、このブースのエスプレス・メディア出版から出版されている「苔の本」「苔の本Ⅱ」の著者。 他にも、NHKテキスト「趣味の園芸」で山野草の講師を務め、カルチャースクールでも、コケリウムの講師をされている方なのでした。


展示されていた「コケリウム」は、大野さんが作った作品で「真正面から見ても楽しめるんですよ!」と。

おぉ! スゴイ世界観だ・・・!!

ヤシの木風:コウヤノマンネングサ/下のコケ:ホソバオキナゴケ
同じく、ヤシの木風:コウヤノマンネングサ/下のコケ:ホソバオキナゴケ

苔は2万種。流通しているのは10種類ぐらい!

コレが苔ですか? と、まだ信じられないボク。

「苔」には、”乾燥した場所を好む苔” と、”湿度がある場所を好む苔”。”ひなたを好む苔” もあれば、”日陰を好む苔”もあるそうです。 確かに、お寺や森の中、渓谷などに生える苔もあれば、道路脇や飛び石の間に生える苔も有りますもんね!

それにナント、「苔」は世界中に2万種くらいあるそうで、日本には約2,000種があるのだとか。コケリウムとして流通している苔は、約30種。 一般に流通しているのは約10種類なのだとか…。


因みに、「コウヤノマンネングサ」も「ホソバオキナゴケ」も自生地では乾いている姿でいるそう。雨や霧が出た時だけ濡れ、湿度が高いと綺麗な緑色になるんだそう。  

へぇ~。そういう生態なんですね。


イギリスでコケリウムを広めている、エマさん!

ロンドンにあるエマさんの店『LONDON TERRARIUMS』

世界中に「苔ファン」はいるそうで、特にイギリスで苔人気が広がっているそうだ。その切欠は大野さんの本も影響しているらしい…。

というのも写真の女性、イギリス人の”エマさん”が来日した時に、大野さんの「苔の本」を購入。帰国後その本を訳し読んで感動し、ロンドンにコケリウムの店をオープンしてしまった。

エマさんは、苔とシダなどを使って、イギリス版のコケリウムの販売や、コケリウムの教室も開催し、今やロンドンで大人気! エマさんの生徒さん達も、苔の楽しみをイギリスで広めていると言う。

◆エマさんの店『LONDON TERRARIUMS』HP
https://londonterrariums.com/
なるほど。教室も楽しそうだし、素敵な作品も沢山ありますね!



ガラス容器で栽培する「テラリウム」は、19世紀にロンドンで生まれ、世界に広がった文化。それがこうして、日本からの逆輸入(?)で、苔をテラリウムで楽しんでいるとは、ちょっと嬉しい気がしました!

「苔」は盆栽や植木の土の乾燥も防ぐ!

また苔は、盆栽や植木の根元に植えると、土が乾燥しないメリットもあるのだとか…。 なるほど、苔って色々な用途があるんだなぁ…。



家に帰って妻に「今、”苔”って人気があるの知ってる?」と聞くと、「知っているよ! ミクロの世界なんでしょ?」

「苔に霧吹きで水を吹きかけると、息を吹き返した様に ぷわーっと広がるのを、ルーペで見たり、苔に付いた小さな水滴を見るのが、とても楽しいみたいだよ!」

「一度、ルーペで見てみたいよね!」

えーーっ! まさか「苔女」候補生がこんな身近にいたとは…。


日本には、世界文化遺産に登録された、京都の苔寺(西芳寺)や、鎌倉にも妙法寺という苔寺がある。
確かに苔寺を訪れると、悠久の時の中で育まれてきた景色に情緒を感じ、幻想さも感じる。

今に始まった事ではなく、昔から日本には「苔を愛でる」文化があったのかも知れないですね!


大野好弘さん著書の本。

「苔の本Ⅱ」は、日本語と英語で書かれています。大野さんは「陰日性サンゴ」の研究家でもあり、サンゴの本も執筆されています。


◆「ボトルシップ型のコケリウムの作り方」を公開中!
園芸肥料などを扱うHYPUNeXのWebマガジン「Plantia」で、大野さんによる「ボトルシップ型のコケリウムの作り方」が公開されています!
https://www.hyponex.co.jp/plantia/color/13061

この記事を書いた人
◇ MC・パーソナリティ・俳優 ◇ 趣味:二輪車・電動バイクの試乗 ◇ 埼玉出身・東京在住 ◇ 環境問題パーソナリティ
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