埼玉県の片隅 高山農園からお届け
Reporter:高山正之/1955年山形県生まれ
2020年7月に46年務めた本田技研工業(二輪車広報マン)を65歳で退社。家庭菜園の高山農園主。時々物書き。
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12月の高山農園(埼玉の片隅にあります)は、時々霜が降りますが ”小松菜”や ”かぶ” などが収穫時です。
優れた土壌のためには、”休耕期間” をとったほうが良いと聞いていますが、冬場も少しだけ収穫を味わいたいと思いながら育てています。(あまり手間をかけていませんので、勝手に育っているというのが正しいですね)
小松菜は、虫食いが多いせいか野性味があります。時間をかけて煮込まないと芯が残るくらいしっかりしすぎています。
3月には 小松菜の”菜の花” と、20年前に植えた ”河津桜” の共演が楽しみです。食べるだけでなく、見て楽しくなる時も感動ものですから。
この写真は、今年の3月に撮影したものです。今年は菜の花がありませんでした…。
厳しい冬を乗り切って、春にぐんぐん育つ作物を紹介します。
11月下旬に種まきをした「絹さやえんどう」は、寒さに耐えながら順調に育っています。冬場にあまり伸びすぎると、雪が積もったときに被害を受けますので、ほどほどに育ってほしい。降雪の前には網をかけて守ってやります。
5月の収穫が今から楽しみです。
11月に植えた「玉ねぎ」です。来年の6月頃の収穫です。小さいころから玉ねぎは苦手でしたが、畑で作るようになってからは好物に変わってしまいました。 透き通ったような甘味があります。
これはにんにくです。玉ねぎと同じ5月に収穫予定です。こちらもすくすく育っています。
「夏みかん」の樹は、8個の実が色づき始めました。今年は4個収穫しました。まだ小さい樹なので、徐々に収穫できる実を増やしていきます。ゴールデンウイーク前が収穫時期です。
今後は 寒さ除けのネットをかけたり、藁を敷いたり、寒風吹きさらしの畑で辛抱強く耐えている野菜たちの労をねぎらってあげたいと思います。
高山農園の作物ではないのですが、「自宅で簡単にできる、美味しい干し柿の作り方」を紹介します。
干し柿つくりは、10年前から ”我が家の恒例行事” になっています。高速道路のSAで衝動買いした ”干し柿用渋柿” で、自分で作ったのがとてもおいしかったのです。
これは、山梨県産の「甲州百目柿」という品種で、届いたばかりです。とても立派な柿で
す。皮をむいた後に熱湯で消毒した後に干します。
我が家では、ベランダの物干し竿で天日干しします。直射日光を当てすぎると黒ずんでしまうとのことですが、ちょっと日当たりが良すぎるかもしれません。
時々もんで柔らかくします。これは干してから一週間が経った時の写真です。雨が降らない限りは干しっぱなしです。毎日天気予報を気にしながら待ちの時間が続きます。
干してから30日が過ぎて ”表面に白い粉” が出てきました。収穫時です。今年は天候が良かったので、少し干しすぎかもしれません。環境によって、もっと長く干す場合もあります。
早速食卓に出てきました。例年よりも甘味が少ない気がしますが、ねっとりした干し柿独特の食感を楽しみました。
おせち料理の中でも存在をアピールする干し柿です。
【干し柿 豆知識】
干し柿は「ころ柿」とも呼ばれていますが、天日干しの際に「まんべんなくお日様が当たるように位置をころころと変える」ことから名づけられた。という説が有力のようです。
2017年の政府統計による干し柿の生産量を見ますと、長野県がダントツの1位です。品種は「市田柿」が大半を占めています。第2位は福島県で主な品種は「甲州百目」。第3位は富山県で「三社」という品種が多いです。そして第4位が山梨県で品種は「甲州百目」が多くを占めています。
私が育った山形県の庄内地方では、「平核無柿(ひらたねなし)」という品種の庄内柿を、ほとんどの農家の庭に植えられていました。焼酎による渋抜きでとろけるような甘味に変わります。とても美味しいのですが保存期間が短いこともあり、干し柿づくりも盛んになっているようです。
干し柿は、渋柿さえあれば一般の家庭でもできます。
気候や寒暖差、風通しなどで出来が変わってきます。プロの作品には到底及びませんが、1ヵ月かけて出来上がった 干し柿を食べると、幸せな気分になりますよ。
【了】